命を守る家づくり

29日の日記で、「備えの順番」について少し書きました。



阪神大震災では、犠牲者の77%が窒息や圧死が原因で亡くなったそうです
水や食料ももちろん大切ですが
それも命あってのもの。
まずは家の中を見直しましょう。



家そのものの耐震に不安がある方は
耐震診断を受ける必要があるかもしれません。
昭和56年以前の耐震基準の建築物は、地震に弱いとされています。



「住まいを変える」ことが可能な場合は、
そうする方が手っ取り早いかもしれませんが
そんな簡単にはいかないことですし
「地震に強い家にする」ことに関しての本がいろいろ出ていますので
調べてみるとよいかと思います。



比較的新しい、頑丈に建てられた家に住んでいる場合は
部屋の中を整えることでだいぶ危険度を下げることができるでしょう。



我が家はありがたいことに、地震には強いという評判のホームメーカーで建てましたので
その点は安心しています。
(地割れしたりすれば別ですが)



帰省の予定が延期になって時間があったので
気になっていた場所にいくつか手を入れました。



まずは、食器類。
滑り止めシートを敷きました。

55×85くらいだったかな。
棚板に合わせて3枚に切りました。
長さは1センチほど短くしました。



食器棚として使っているサイドボード。
いつも子ども達に食器を出してもらうので
低い位置に収納できてちょうどいいです。



シートを各段に敷きました。
長さを短くした分を、重なっているお皿に挟んでみました。
後でもっと大きいものに変えよう。
お皿は大きい物から順に重ねると揺れには弱いそうで
中皿、大皿、小皿と重ねるのがいいそうです。
直さなくちゃ。



家電ゾーン。
パン焼き器、炊飯器、粉挽き器。
耐震ジェルを挟みました。
ベタベタしてるから埃がたっぷりつきそうですが
水で洗っていいようなのでよかったです。



精米機にも耐震ジェル。
ホントはどっかにしまいたいんだけど
毎日使うから面倒でね〜。



こちらは作り付けの食器棚。
阪神淡路大震災で実家が半壊してしまった義母が
「食器棚は作り付けにしなさいね」とアドバイスしてくれました。
今は上部はパントリーとして使っているのですが
中身のことはまた「食料貯蔵」としてご紹介することにして
今回は安全対策のみを。



まず扉にはS字フックをつけてあります。
このちょっと変わった取っ手のおかげで
こんな簡単なもので扉が開いてしまうのを防止できました。



引っ張っても、ホラ、開きませんよ。
(ここはフックの大きさが違うので上にかかってます)



上部もS字フック。
開け閉めが面倒ということは全然なくて
見た目も気にならないので気に入っています。



ビン詰め用や乾燥野菜が入ったビンは
プラスチックのケースに入れています。
一番下は、シリコンの足が付いたプラスチックのトレーを。
ビンが滑って、ガラス扉に直接ぶつからないようにするためです。。
扉にはもちろん飛散防止フィルムを貼っています。



赤玉ねぎの皮と、とうもろこしの皮が入った大きなビンは
しまう場所がなくてとりあえずの床置き。
サイドボードの上に置いていましたが
大きな揺れでは絶対に飛ぶので降ろしました。



サイドボードの上は、ロフトの柵があります。
今はお豆を置いちゃってますが
陽も当たるし、ホントは中にしまいたいところ。
とりあえず下に降ろしておこう。





住宅事情は人それぞれですから
「うちは古いから」とか
「集合住宅だから」とか
「時間もお金も限られているし」とか
いろいろと制限を感じることがあると思います。



それでも、できる範囲で少しずつ整えていくことで
家族の安全を確保する場所ができると思います。



危機管理教育研究所代表の国崎信江さんは
著書の中でこうおっしゃっています。

「一般的な防災対策が『避難所への避難ありき』の意識で行われていることが気がかりです。
私自身支援活動を通して、どれほど避難所での生活が厳しいものか、目の当たりにしてきました。
被災地でも自宅で生活できることが幸せであることから、『避難しなくてもよい家作り』を強く
意識しました。被災地でも、『日常と極力同じ生活を過ごす』−これこそが、本来の
防災であると考えるのです。」   「震度7から家族を守る家」まえがきより

震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック

震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック



本を読むと、国崎さんのご自宅は、ものすごく広くて片付いていて
エコキュートが2台あり、さらに井戸もあり、
防災を念頭に置いて建てられた家だから
そこかしこに工夫が施されていて
もう「完璧」というレベルです。



でも国崎さんは、「わが家の安全対策はまだまだ完成されてはいません。」と書かれています。
「防災は一生やり続けることなのです。」だそうです。



国崎さんは、月3000円の防災費でコツコツ準備されたそう。
(ご自宅はもちろん別予算だと思いますが)
グッズを購入するだけが防災ではない、
物を減らしたり、家具の配置を見直したりすることも防災の一つ。
それなら誰でも今からできることだと思いませんか?



大切な家族のため、自分自身のために
「わが家の防災マニュアル」を家族で作りましょう。